「猿」の「漢字の成り立ち」
猿
今年は「申(猿)」年ですね。
猿の漢字の成り立ちは、犬(けものへん)と音をしめす袁からなる形成文字です。
※象形文字・指示文字・会意文字・形成文字については、バックナンバーをご覧ください。
■十二支と故事ことわざ
十二支には、それぞれ故事ことわざがあります。
子(ね・シ) 鼠(ねずみ)
子に伏し寅に起きる |
…… |
寝る間も惜しんで働く |
鼠の嫁入り |
…… |
いちばん良いものを選ぼうと苦心するが、結局は平凡な所に落ち着く |
袋の鼠 |
…… |
逃げ出すことができない |
丑(うし・チュウ) 牛(うし)
丑の時には草木も眠る |
…… |
午前二時ごろにはすべてのものが寝静まる |
牛も千里馬も千里 |
…… |
上手下手・速い遅いの違いはあっても結果的には同じである |
暗がりから牛 |
…… |
動作がにぶくのろのろしている |
寅(とら・イン) 虎(とら)
一日の計は寅にあり |
…… |
その日一日の事は朝早く計画を立てて実行すべきである |
虎を野に放つ |
…… |
危険なものを野放しにしてわざわいのもとを後に残す |
虎穴に入らずんば虎子を得ず |
…… |
危険を冒さなければ大きな成果をあげることはできない |
卯(う・ボウ) 兎(うさぎ)
卯の時雨に笠を脱げ |
…… |
朝早く降り出した雨はじきにあがるので笠はいらない |
二兎を追うものは一兎をも得ず |
…… |
同時に二つの物事をしようと欲張ると、どちらも成功しない |
兎の罠に狐がかかる |
…… |
思いがけない幸運に恵まれる |
辰(たつ・シン) 竜(たつ)
辰巳天上 |
…… |
辰の日と巳の日には相場が上がる |
登竜門 |
…… |
立身出世への困難な関門 |
竜の鬚を撫で虎の尾を踏む |
…… |
命がけの危険を冒す |
巳(み・シ) 蛇(へび)
巳牛男に卯辰の女房 |
…… |
相性が良いとされる男女の組み合わせ |
蛇に見込まれた蛙のよう |
…… |
恐ろしさに身がすくんで動けなくなる |
蛇の道は蛇 |
…… |
同類の者は仲間のすることをよく知っている |
午(うま・ゴ) 馬(うま)
午は火にて果つる |
…… |
午の日には火事が多い |
馬の耳に念仏 |
…… |
いくら言っても何のききめもない |
駆け馬に鞭 |
…… |
勢いがあるものに力を加えてさらに激しくする |
未(ひつじ・ビ) 羊(ひつじ)
羊の皮を着た狼 |
…… |
親切心の下に悪意や下心を隠し持っている者 |
羊を以って牛に易う |
…… |
小さな物で大きな物の代用にする |
多岐亡羊 |
…… |
方法がいろいろありすぎて具体的にどうすれば良いのか思案にくれる |
申(さる・シン) 猿(さる)
申酉荒れて戌あがり |
…… |
申の日、酉の日が天気が悪いと戌の日にはよくなる |
猿も木から落ちる |
…… |
その道の達人でも時には失敗する |
見猿聞か猿言わ猿 |
…… |
自分の益にならないような事は見ない、聞かない、言わない |
酉(とり・ユウ) 鳥(とり)
足元から鳥が立つ |
…… |
身の回りで突然意外な事が起こる |
籠の鳥 |
…… |
自由を奪われた境遇の人 |
一石二鳥 |
…… |
一つの方法で同時に二つの利益を得る |
戌(いぬ・ジュツ) 犬(いぬ)
犬の遠吠え |
…… |
臆病者が陰に回って大きな態度で悪口を言う |
犬も歩けば棒に当たる |
…… |
思いがけない幸運に出合う |
飼い犬に手を噛まれる |
…… |
目をかけていた者に裏切られる |
亥(い・ガイ) 猪(いのしし)
猪も七代目には豕になる |
…… |
変わらないようで長い間には変化する |
猪突猛進 |
…… |
向こう見ずに突き進む |
干支の豆知識
干支とは十二支を指すように使われていますが、干支と書くように「十干」と「十二支」の組み合わせ60種類を干支といいます。
十干 |
…… |
甲、乙、丙、丁、戊、己、庚、辛、壬、癸 |
十二支 |
…… |
子、丑、寅、卯、辰、巳、午、未、申、酉、戌、亥 |
干支 |
…… |
甲子、乙丑、丙寅~癸亥(十干と十二支の組み合わせ60種類) |